オーストラリアの確定申告(タックスリターン)は収入がある居住者は必ず行わなければなりません。
日本ですと確定申告は雇用されていない自営業の方が届出をする、というシステムですが、オーストラリアでは自営業者だけでなく雇用形態を問わず「個人」でタックスリターンをする必要があります。
しかし、琴子はオーストラリアに移住してから、しばらく無職で、専業主婦と語学学校の生徒という立場で過ごしてきました。
私は働いてないからタックスリターンは関係ないよね。収入がないし、税金も払ってないし。
琴子は「タックスリターンの申告義務はありません」という届出をしなければいけないんだよ。
今回はオーストラリアのタックスリターン(確定申告)と「申告不要」の届出(Non-Lodgement Advice)についてお伝えします。
オーストラリアのタックスリターン(確定申告)とは
オーストラリアの年度末は6月末。
タックスリターンの手続きは7月~10月末の間に行います。
タックスリターンの目的は、
- 支払いすぎた税金を取り戻す。
- 支払うべき税金を納める。
人により税金が返ってくる場合もあれば、追加徴税になる場合もあります。
どちらにしても、「収入があればタックスリターンは義務」
【タックスリターンの方法】
⇒ 直接、ATO(オーストラリアの国税局)に申告
⇒ 会計士に対面もしくはオンラインで申告
(例:日本語可の会計事務所 EZY Tax Online)
※7月~10月はショッピングモールにタックスリターンのブースを出している会計士に依頼することもできます。
タックリターンの申告義務がないケースでも届け出(Non-Lodgment Advice)は必要
税引前所得が$18200未満で源泉徴収された所得税がない場合、会計年度中に収入がなかった場合はタックスリターンの必要はありません。
しかし、Non-Lodgment AdviceというものをATO(オーストラリア国税局)に提出する必要があります。
Non-Lodgement Adviceとは「タックスリターンの申告義務なし」の届け出という意味ですね。
つまり、オーストラリアの税制上の居住者は、
- タックスリターン
- タックスリターンの申告扶養の届け出
どちらかは必ず手続きをする必要があります。
6ヶ月以上同じ地域に滞在、もしくは滞在予定。ワーキングホリーでや学生ビザの方も条件によっては居住者に含まれることがあります。
タックスリターン申告不要の届け出(Non-Lodgement Advice)の方法
タックスリターン申告不要の届け出は、
- オンライン
- 書面
- 会計士に依頼
の3つの方法があります。
オンライン
①Mygovにログイン
②サービス選択画面で「ATO」を選択
③画面上部のメニューから「Tax → Income Tax→ Non-lodgment advice」を選択
④申告の年度を確認、Declaration(申告)にチェック
⑤Submit(提出)をクリック
MyGovとは
医療や税金、児童手当や老人福祉・障害福祉など様々な個人情報にアクセスできるシステム。日本でいうマイナンバー制度のようなもので、オーストラリア国民、永住権、永住権に付随する人がアカウントを作成できます。
※メディケアカード(健康保険証)もMygovに紐付けておくと支払った医療費の取戻しがスムースです。
書面
①Non-Lodgement Adviceの書類をダウンロード
②必要事項を記入
③書類の最下部に記載してあるAustralia Taxation Officeの住所に郵送
会計士に依頼
タックスリターンだけでなく、「申告不要の届け出」も会計士がサポートしてくれます。ご自身での手続きは不安な方は会計士に問い合わせてみてください。
まとめ
無収入で所得税を納めていないケースでもタックスリターンの時期(7月~10月)に「タックスリターンは不要」という申告であるNon-Lodgement Adviceについてお伝えしました。
無収入の時にこちらの届け出を提出していないと、将来、収入を得てタックスリターンを行う際にATO(オーストラリア国税局)からつっこまれるケースもあるようなので、手続きをしておけば後々面倒くさいことに巻き込まれずにすみます。
日本とは異なる税金の手続きでややこしいと思われるかもしれませんが、Non-Lodgement AdviceはMyGovでオンラインで届出をすれば数分で終わるので早めに済ませてしまいましょう。