外国人パートナーとの国際結婚がきっかけで海外移住した日本人女性の中には慣れない海外生活で「うつ状態」におちいってしまう方も少なくありません。
琴子はオーストラリアに移住後、8か月目くらいにどーんと気持ちが落ち込みました。大きな環境の変化に心がついていかなったのかな、と思います。
憧れだった国際結婚・海外移住が現実のものとなり、現地での生活も落ち着いてきた頃、
- なんとなく気持ちが落ち込む
- 理由もなく淋しい・涙が出てくる
- 人と話すのが億劫
- 食欲がない、もしくは過食
などなど、海外生活で心や体がうつ状態になってしまう原因や対処法についてお伝えします。
海外生活でうつ状態になってしまう原因
国際結婚で海外移住をした日本人女性が現地で鬱っぽい症状に落ちいってしまう原因について考えてみましょう。
文化や言葉の壁
琴子の場合、40歳でオーストラリアに移住しました。40年間、海外旅行はしたことはあったけど、海外生活の経験はなし。
英会話はオンライン英会話でマイペースで勉強し、夫のジョナとの会話で鍛えられてなんとか日常生活には困らない程度の英語力でした。
最初はオーストラリアでの生活が何もかもが新鮮で毎日ワクワクしていました。
しかし、
- 夫とのちょっとした生活習慣の違い
- 周囲の人との英語でのコミュニケーション
- 義両親との付き合い(かなり密接です、、、)
- 公共の交通機関もお店も何かとルーズ
といった、日本では感じることのなかった「小さなストレス」が日を追うごとに少しずつ蓄積されていきました。
積り積もった小さなストレスが精神的に苦しくなってきてしまうんです。
ホームシック
国際結婚・海外移住は人生の中でも大きな決断でしたね。
しかし、新しい地で新しい人生を始めるのだ、と意気揚々と海外生活を始めたものの、日本での生活、家族や友達が恋しくなってしまい気持ちがどんどん落ち込む、孤独を感じてしまい鬱状態に陥る方も多くみられます。
配偶者以外に話をする人がいないケースではと孤独がどんどん大きくなっていくと無気力感に気持ちが支配され、何をやるにも億劫になっていきます。
自立できない自分を責めてしまう
海外での生活が初めてだと、最初のうちは何もかも夫や義家族の手助けを借りることとなります。
公共の交通機関の利用方法、銀行口座の開設、仕事をする際のタックスファイルナンバー(納税者番号)の取得や携帯電話の契約など、新天地での生活準備はやることがたくさん。
自分を責める必要はどこにもないのですが、「いい年して自立できていない」と感じてしまうことも。
夫に迷惑をかけているのではないか、私じゃなければ夫はもっと楽できたのではないか、と日本で自立した生活を送ってきた人は考えてしまう傾向があります。
日本語で話す機会が少ない
第二言語の英語だけの生活はアラフォー・40代の海外移住者には思いのほかキツイ、、、、
母国語の日本語を話す機会が少ない、もしくはまったくない状態だとストレスがたまります。その上、「英語をもっと勉強しなきゃ」というプレッシャーもかかると、精神的にも苦しくなってきますよね。
英語圏ではない国へ移住した方はさらに大きなストレスになるのではないでしょうか。
日本語で思いっきり話をしたい、そんな欲求もじゅうぶんに満たされることもなく鬱々とした気分が続くことがあります。
外国人として海外で生きる複雑さ
琴子の場合はパートナービザ手続きの複雑さと、ビザがおりるまでの時間の長さ(1年以上)にぐったりと疲れてしまいました。
他の国のビザ事情はわかりませんが、オーストラリア国内でビザを申請した場合、一時帰国や旅行などで国外に出る際に「国外に出ます、またオーストラリアに戻ってきます」というビザを新たに取得しなければならないのです。
膨大な量の書類を集め、さらに移民局からの追加書類の連絡があり、ビザが取得できるまで気持ちが落ち着かない日々が1年以上続きます。
国際結婚からの海外生活、気持ちが落ち込む時の対処法
一時帰国でリフレッシュ
時間とお金が許すのであれば、一時帰国して気分をリフレッシュさせましょう。家族や仲の良い友人と過ごし、心からリラックスできる時間を過ごすことで、気分が回復します。
「海外生活の仕切り直し」の意味合いも含め、一時帰国という選択肢も効果があります。
日本人コミュニティに参加
国にもよるかと思いますが、海外には日本人コミュニティが多く存在します。
海外生活の先輩たちの話やアドバイスを聞くことで、今までの考え方が変わるきっかけにもなりますし、日本語でおしゃべりすることもストレス発散となるでしょう。
現地の日本人コミュニティと過剰に深く関わってしまうと、逆にストレスになることもあるのでほどよい距離感をさぐりつつお付き合いしてみてください。
パートナーに今の気持ちを正直に話す
パートナーにきちんと気持ちを伝えていますか?
気持ちがいつも落ち込みがちなこと、心身ともに疲れていることなど、正直に話してみましょう。配偶者の理解がないと、鬱状態はさらに悪化してしまいます。
男性は日本人、外国人問わず察することが苦手です。きちんと言葉にして伝えないと何もわかってもえません。
2人で協力して状況を良い方向へ向かうようまずはパートナーに相談してみてください。
自分で自分を褒める・認める
思い通りに海外生活を送れないことから「自分はダメな人間だ」と思う必要はまったくないんです。
生活の基盤を整えることを頑張ったとしても、誰からも褒められないし、それどころか「現時点ではできないこと」の方に目が行きがち。
「1人で買い物に行って特売品を見つけた」とか「早起きできた」くらいのことでOKなので、今日できたことを自分で自分を褒めて認めましょう。
日記やブログに記録しておけば客観的に自分を見つめることもできるのでおすすめです。
心の専門家に相談
海外では日本より気軽にカウンセリングを受ける環境があるので、(国によるかと思いますが)日本人カウンセラーが常駐するクリニックで話をきいてもらいましょう。
「このくらいは我慢しなくては、、、」という日本人的な忍耐はここではやめて、ちょっと気分が落ち込みがちだな、と思ったら症状がひどくならない前に「心のケア」を心がけてください。
まとめ
環境が劇的に変化する国際結婚・海外生活で気分の落ち込みがあるのは当たり前。
私たちの心は私たちが考えるよりずっと繊細です。「自分は大丈夫」と思っていても、いつもと違う、と心や体に違和感を覚えたら、すぐに対策をしないと快復に時間がかかってしまいます。